校長室から

【2017.09】「本当の‥」

「本当の…」

                            校長  髙田 晶子

 9月9日(土)に里中学校開校40周年を記念し、第40回記念体育祭を実施いたしました。天候にも恵まれ、保護者、地域の皆様のご協力のもと、さらには魂響和太鼓会の皆様の演奏で花を添えていただき、盛大に実施することができました。「大きな声援」の中、生徒たちが一生懸命取り組む姿に一歩一歩里中学校が「前進」していることを感じ、素晴らしい一日になりました。本当にありがとうございました。

今年の夏、栃木県足利にある「こころみ学園」(知的障害者施設)を訪問しました。設立時の川田昇園長さんは2010年に89歳で亡くなられましたが、その遺志を継いで現在も約150名の方々が生活をしている施設です。川田園長先生の著書の中に次のような言葉が残されています。

『ある時、実習に来ていた大学生と一緒に、子どもたちが山の原木の伐採をやっていました。その時私は、子どもも集めておいて「こうやって切れよ」と一回だけ見本を示して、後は聞きに来ても一切教えませんでした。「先生切れねえ」と言うから「ああ、さっき言った通り、昨日言った通り」そこなのです。自分から気づくまで教えてはいけないと思うのです。ただし、やっている見本はどこにいても示しておかなくてはいけません。職員が懐手なんかして動いていなかったら失格です。子どもたちが作業具を下げていれば、職員も同じようにしているようでなければ、本当の指導はできません。』

子どもたちの本当の嬉しそうな顔は、私たち大人にとってはこの上もないご褒美です。

園長さんは、「子どもたちに自分でできることをさせ、その中から自ら気づいてわかることでなくては本当ではない」とも述べています。これは、子どもたちに関わる大人すべてに当てはまることで、指導者が能率的にやりこなす方法を指導したのでは、本当の指導につながるのだろうかと考えさせられました。日々を振り返れば、時間に限りがあり、多忙と言われる毎日を過ごしている人がほとんどです。それでも、子どもたちから嬉しそうな顔のご褒美をたくさんもらうために、一緒になって作業する、一緒になって生活する本当の大切さを、学園の訪問を通して改めて考えさせられた夏でした。

10月14日(土)には40周年記念式典を開催いたします。実行委員会の皆様とともに準備が進んでおります。里中生の前進する姿を披露できればと考えております。ご支援をよろしくお願いいたします。

-校長室から

関連記事

校内研修(「考え議論する道徳」の実現を目指した授業スタイルの研究)

校内研修(「考え議論する道徳」の実現を目指した授業スタイルの研究)

授業紹介11月6日

11月6日授業

【2016.06】期待される人、期待される里中生

6月6日から39期生と奈良・京都方面の修学旅行に行ってまいりました。1日目の夕刻には妙心寺・法堂にて座禅体験を行い、静寂な空間の中で警策で撃たれる響きを聞きながら、静かに自分と向き合う時間を過ごしまし …

6月3日 分散登校開始

6月3日 分散登校開始

自転車マナーアップ 強化月間

 5月1日(金)から31日(日)までの期間は、九都県市一斉「自転車マナーアップ強化月間」です。また、5月10日(日)は自転車マナーアップ一斉統一行動日です。(クリックすると「自転車マナーアップ強化月間 …