校長室から

【2016.12】咲かせよう笑顔の花

先日、小児科で免疫アレルギーを研究している先生の講演会があり参加してきました。この先生は、患者さんの事実に基づく医療を大切にしている先生です。私は、医学の専門家ではありませんが、現代のアレルギー問題には興味がありましたので、参加しました。そのお話の中で、素人でもぐっと心に響いたことがあります。里中学校の生徒会の目標であった「咲かせよう笑顔の花」の言葉を思い出しながら聞いてきました。
それは、講師の先生が診察の様子をお話ししてくださったところでした。
「0歳児の赤ちゃんが、お母さんに抱っこされて入ってくるんです。赤ちゃんは、しっかりお母さんにしがみついて入ってきます。お母さんから症状を聞きながら、聴診器を当てていきます。聴診器はとても大切で、心臓の音や呼吸の音、それぞれの音のスピードや間隔なども聴き分け、雑音がないかなど異常を察知します。緊張している赤ちゃんはトクトクトクと、聴こえてくる音もスピードが速いのですが、お母さんが笑顔で微笑み返すとたちまち安心してゆっくりになっていきます。さっと変わるところは、お母さんはすごいなといつも感心するところです。はっきりわかります。」
「ところがですね……。」と先生は苦労話も続けて話をしてくださいました。「若い頃は、診察しようとすると泣くんですよ。本当に苦労しました。泣いてしまうと、雑音が聴こえなくなってしまうんです。待っていても泣き止まないので、また次回に診察となってしまうこともありました。泣かせない医者になるまで本当に苦労しましたが、あることから赤ちゃんを泣かせないこつがわかったのです。先輩の女医さんの診察に立ち会わせてもらったことがあります。この先輩は、赤ちゃんを絶対に泣かさないんです。どうしてだろうと、必死で観察しました。そこで気が付いたことは、先輩は、『お母さんの〇〇がそっくりですね。』とか、『〇〇がよく似てますね。』と、お母さんを褒めるんです。お母さんは、にこにこっと笑顔になり、赤ちゃんはお母さんの顔を見て笑うんです。最初に笑顔にすればあとは大丈夫です。これだな。褒めてあげなきゃ、と思いました。早速自分の診察でも褒め言葉を生かすようにしたら、もう30数年たちますが、0歳児は診察時に泣かなくなりました。それからは子どもたちが、かわいいと思えるようになったんです。本当にかわいく思います。褒める所がどんどん見つかるようになりました。自分が思うと相手に伝わるんだなと感じています。診察するためですけれど、大切ですよね。」
診察の始め方のお話だけでもとても勉強になりました。アレルギーの専門家にはなれませんでしたが、とても良い時間を過ごしてきました。笑顔で話しかければ、言葉を使わなくても伝えられる、人のもつ素晴らしい力を改めて感じました。
2学期は、保護者、地域の皆様方に多くの笑顔を届けて頂きました。ありがとうございました。

-校長室から

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