校長室から

【2017.12】「〇〇に没頭する子どもたち」

「○○に没頭する子どもたち」

校長  髙田 晶子

すっかり冬支度になってきました。毎朝、校務員さんが落ち葉の掃き掃除をして生徒を迎えてくれています。一日に何度も竹箒を持つ日もあり、本当にありがたく思います。そのような中、本校自慢の「あいさつ」は朝から寒さを感じさせないくらい温かい気持ちで、生活委員会と教職員が続けてくれています。今年も温もりのある里中学校の年末を迎えられることに、大変嬉しく思います。

12月13日に川口市PTA連合会が主催する、花まる学習会代表の高濱正伸先生の講演会がありました。ご講演の中の言葉で「子どもたちは、周りのことから何も聞こえなくなるくらい、一つのことに没頭するくらいでなければ・・・。」という印象に残っている一説があります。それに続けて「ほら。そこ、片付けなさい。」「聞こえてるの。」「何度も言わせないで。」「まったく、何回言ったらわかるのよ。」と母が連発する様子を身振りも加えながらお話してくださいました。そういう場面は「あるよ、あるよ」と思う反面、「母って、必死に子育てしているな」という思いにもなりました。わが子に必死に立ち向かう親の姿は、やはり素敵だなと思います。では、この「没頭する子どもたち」をどう受け止めればいいのでしょうか。普通に声を掛けても反応せず、近くに寄って声を掛けたり、体に触れて合図しないと気がつかないくらい集中する子どもたちです。過集中ともいうそうです。子どもの時代は、周囲に注意を払えず没頭してしまう様子を多く見ると思います。時々、読書をしている生徒が、チャイムがなっても気がつかず、慌てて特別教室に向かっていく姿なども見ます。もし、身近なお子さんが、「没頭している」姿を見たら、自分勝手だな、マイペースだなと思いますか?それとも素晴らしい集中力と認めてあげられますか?子どもたちが思ったように動いてくれないと怒るのは、大人です。自分の感覚に合わせようとするからでしょうか。時間に追われる生活になっているからでしょうか。子どもたちは、そのくらい没頭することもあるのだということを理解しておくことも大切です。話しかけるのであれば、近づいて肩や背中ポンポンとたたきながら話しかけ、気づかせてあげればいいのです。スキンシップも取れて、怒らずに気持ちよく対応ができます。大人になると、周囲を気にして、気配り上手になり、社交的になります。子ども時代の「没頭する」経験があるからこそだと思います。 小中学生のころ私は、折り紙に刺繍やジグソーパズル、漫画にはまって「あ、こんな時間!」と、寝不足になったことを思い出します。今は、湯船の中で里中の今日の出来事を思い出し、気分よく長湯になり、「おい、起きてるか?」と家族に風呂場のドアをたたかれ、ドキッとするような、おとなの没頭する生活を送っています。子ども時代の没頭していた頃がとても懐かしいです。

平成29年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

-校長室から

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